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〈活動レポート〉愛知「発酵食文化」振興事業
「事業者伴走支援プログラム」を実施しました

みりん

愛知「発酵食文化」振興協議会では、愛知の「発酵食文化」を活用したインバウンド向けコンテンツを造成する事業者を対象に、マンツーマンの伴走支援プログラムを実施しています。支援プログラムの内容や、今年8~11月に九重味淋株式会社(愛知県碧南市)で行われた活動事例についてご紹介します。

インバウンド誘客のロールモデル育成を目指す、伴走型の個別支援

本プログラムは、インバウンド誘客に精通した専門家が、事業者が抱える課題やニーズを聞き取り、現在の受入状況に合わせた伴走支援を行うものです。今年度は3事業者が支援対象となり、専門家を1事業者あたり3回派遣。専門家の助言・指導を通じて、県内のロールモデルとなるリーダー事業者を育成することを目的としています。

支援の具体例としては、受け入れの対応・接客をはじめ、外国人向け説明資料(看板、リーフレット、ガイド台本)の作成支援、新たなコンテンツの造成支援(ストーリーやメニューづくり)、コンテンツの販売支援(オンライン旅行代理店への掲載支援、旅行会社紹介)などが挙げられます。

〈実施事例〉九重味淋株式会社の支援プログラム

今回の支援プログラムにおける対象事業者の一つが、三河みりん発祥の醸造元で知られる、碧南市の九重味淋株式会社。2025年8月から11月にかけて、大ナゴヤツアーズ 代表(東海エリアの着地型観光のリーダー)加藤 幹泰 氏、国際唎酒(ききざけ)師の資格を持つ、Stay Aichi共同代表の吉田 さき子 氏の2名が専門家として派遣され、全3回のプログラムが実施されました。

見直しを行ったのは、九重みりん時代館・工場で実施している見学ツアー。これまで自社でのインバウンド向けのガイドは行っていませんでしたが、英語力のある現場社員が志願し、英語ガイドに初挑戦。インバウンド向けのガイドプログラムを新たに作成し、以下の流れでブラッシュアップを行いました。

■1回目
従来の九重みりん時代館・工場見学を実施し、専門家がアドバイス

見学順序の見直し、エンターテインメント性の盛り込み、歴史の重みを感じられる話し方等について、専門家が指摘やアドバイスを行いました。

■2回目
改善プログラムを日本語で実施

1回目のアドバイスを反映した日本語ガイドを行い、改善状況を確認。

■3回目
改善プログラムを英語で実施

1・2回目のアドバイスを反映し、案内の順番変更、工場の扉を2人がかりで開ける演出、パネルを使用した視覚的な案内などが導入されました。

3回目のプログラムを終えて、専門家の評価と提言

■大ナゴヤツアーズ 代表 加藤 幹泰 氏
「最初に比べて、パネルなどのツールが導入され、非常に分かりやすくなりました。“ワインと酒の違い”など、外国人が興味を持つ言い回しも効果的。今後の実践の場に向けて、英語の言い回しはネイティブチェックを入れてもいいかもしれません。
また、ゲストの満足度を高めるには「案内をする人」の印象も重要。プライベートなエピソードなど、相手が何を喜ぶかを考えてエンタメ要素を組み込み、ゲストとの距離を縮めてもらえたらと思います。」

■Stay Aichi 共同代表 吉田 さき子 氏
「一生懸命さが伝わり、好感が持てました。みりんの材料や日本の歴史の説明は、海外の方向けに、伝え方をもう少し工夫するとよさそうです。
ガイド中に写真撮影のポイントを設けると、SNSで広めてもらうきっかけになります。蔵の法被などを羽織ってもらえば、なおいいですね。
敷地内物販店への誘導として、試飲クーポンの配布などの施策も有効。また、参加者特典として、買い物に役立つ「本物のみりんの選び方」をカードにし、日本語でゲストの名前を入れてお渡しすると、特別感が演出できます。
+αの観光提案として、九重味淋が使われているミシュランレストランの情報などをお伝えしてもいいと思います。」

■その他の意見
・ガイド終了後、参加者にアンケートを依頼する、グーグルマップへコメントを書いてもらう等、改善や集客につながるアクションがあるとよい
・ガイド役が名札をつける、法被を着用する、名刺カードを配るなど、印象を高める工夫があるとよい
・インバウンド向けは国内の予約枠と分けて、高付加価値のプランを設けてもよい

インバウンド向けガイドに挑戦した事業者の声

■広報担当 足立ゆかり 氏
「インバウンド対応において、抽象的なアドバイスではなく、弊社の実情に添ったすぐに活用できる具体的意見をもらえた点が非常にありがたいです。海外向けプログラムのベースができたため、これを活用していきます。」

■ガイド担当 入江 美樹 氏
「アドバイスをもとに、日本語プログラムのベースを組み直し、AIも活用しながら英語ガイドのプログラムを作成しました。最初はどうすればよいかわからず悩んだ“エンターテイメント性”についても、適切な助言をいただき助かりました。今後の実践の場では、3回目で得た課題も改善して挑みたいと思います。」

実践を通じて、コンテンツをさらに磨き上げる

支援を通じて造成・改善されたコンテンツは、2025年11月~2026年1月の旅行会社・訪日メディア向けFAMトリップや、協議会関係者向け体験会にてお披露目予定。実践の場を通じて、さらなる磨き上げが行われます。

本プログラムは、事業者の課題やニーズに即した伴走支援により、すぐにコンテンツに落とし込める具体的かつ実践的な内容が最大の強み。現場のインバウンド対応力の強化とともに、今後は、県内のインバウンド戦略をリードするロールモデルとしての期待も高まります。

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