Contents
醸し続けて170余年。古式伝承の地酒造りを見学
そばには知多半島の潮風が吹き、ほのかに酒の香りが漂う、趣のある黒塗りの建物。直売所の奥に酒蔵があり、予約制(有料)で見学ができます。酒造りには原料と道具、造りにこだわり、有名産地や地元で契約栽培する酒造好適米と、知多半島の湧水を使用。見学では、仕込み水を引く井戸も見ることができます。
2021年に完成した麹室では、昔ながらの麹蓋を用いた麹造り「製麹」が行われています。すべてのお酒において「麹蓋」での麹造りを行うのは、愛知県でも澤田酒造のみとか。少量ずつ盛るため、大箱での製麹と比べ、米のうまみをしっかりと溶け込ませることができるそうです。
仕込み&貯蔵室へ進むと、タンクがずらり。醪(もろみ)造りと呼ばれる最終工程で、タンクの中に蒸し米と麹と水を入れ、糖化と発酵により20~45日で酒が完成します。
※見学内容はコースや開催時期により異なります
-
江戸時代から変わらぬ佇い
-
仕込み水は淡麗な軟水で、まろやかな酒質に仕上がる -
木製の「こしき」(大型セイロ)で酒米を蒸すのは、全国でもわずか
-
酒造りの責任者・杜氏(とうじ)が最も神経を使う麹造り -
小型のタンクで仕込み、それぞれの酒質に応じて管理する ※撮影時のみ見学用のヘアキャップを外しています
常滑焼酒器での試飲体験や、角打ち、買い物も楽しんで
見学の後は、新たに誕生したテイスティングルーム「さかふね」で試飲タイム。醪を酒と酒粕に分けるための道具を「酒槽(さかぶね)」と呼び、中央の重厚なカウンターは、半世紀前まで使われていた酒槽をリメイクしたものだそう。
また、日本酒好きならぜひ試してほしいのが、常滑の作陶家とコラボレーションした「ささらけ」セット。それぞれの白老のお酒の特徴に合わせ4人の作陶家が造った酒器と、白老の地酒を組み合わせたペアリングメニューで、見て、香って、味わってと、五感で楽しむことができます。
さかふねでは毎週土曜を中心に角打ちも営業しており、1杯200円~のリーズナブルな価格で気軽に立ち飲みができます。
気に入った銘柄を買い求めるなら、隣接する直営店「澤田北倉」へ。いくつかのお酒は少しずつ試飲ができ、米も水もすべて地元産にこだわった純米大吟醸「知多の花露」をはじめ、知多ならではの地酒が並びます。
-
2024年オープンのテイスティングルーム「さかふね」 -
直営店「澤田北倉」。試飲もできるため、好みの銘柄が見つかる
-
地酒と組み合わせた常滑焼酒器「ささらけ」 -
地元産の酒米「若水」を100%使用した酒「白老」
歴史展示室や、仕込み水の水汲みサービスも!
澤田酒造の歴史を伝える施設として、歴史展示室も完成しました。テイスティングルームの2階にあり、営業中は自由に見学可能(観覧無料)です。
「豊醸組」は知多の酒造業者で組織された組合で、酒質向上を目的として技術開発に取り組み、その試験場が、澤田酒造の蔵にありました。そこで開発された「速醸酛(そくじょうもと)」と呼ばれる製法が、現在の日本酒造りの礎となり、品質向上に大きく貢献したのです。
帰りには、駐車場脇にある「新水(しんず)」にも立ち寄りましょう。こちらは、仕込み水を無料で汲めるうれしいサービス! とてもやさしい軟水で、そのまま飲むのはもちろん、お米を炊いたり、コーヒーを淹れたり、お肌のケアにもおすすめとのこと。酒どころ・知多を生んだ、豊かな恵みを感じることができます。
-
澤田酒造の歴史が詰まった展示室 -
自然の恵みを頂ける「新水」







