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味噌Aichi Miso

家康も愛した「豆味噌」のふるさと

1000年以上にわたり親しまれてきた、日本の国民食・味噌。変化に富んだ気候風土や歴史の中で、日本各地でお国自慢の味噌が生まれました。
中でも、あいちを中心とした東海地方特有の味噌が「豆味噌」。色も味わいも濃厚で、味噌カツや味噌煮込みうどんといった、あいちの味噌料理に欠かせない存在となっています。伝統的な豆味噌の原料は、大豆、塩、水のみ。長期熟成により濃縮されたうまみが最大の特徴です。見た目からすると少々意外かもしれませんが、塩分量は少なめ。また、グツグツ煮込んでも香りの変化が少ない、魚や肉などの臭みを軽減する、油を取り込む作用により揚げ物をさっぱり食べられるようにするなど、さまざまな優れた作用があります。
そんな豆味噌を好んで食べたと伝わるのが、あいちが生んだ天下人・徳川家康。信長・秀吉・家康の三英傑が活躍した戦国時代、味噌は合戦時の栄養源として重宝されました。大豆を主原料とする豆味噌は体を動かすのに必要なアミノ酸が豊富で、クエン酸も含まれており疲労回復効果も期待できます。あいちの武将の強さには、豆味噌が関わっていたのかもしれません。

石積み六尺桶で2年以上熟成。岡崎城下から味噌文化を広めた「カクキュー八丁味噌(八丁味噌の郷)」へ

徳川家康公の生誕地・岡崎城から西へ八丁(約870m)の距離にある、岡崎市八丁町。江戸時代初期からこの地で 伝統的な 味噌造りを営む2軒の老舗「カクキュー」と「まるや」が軒を連ね、その味噌は産地名から「八丁味噌」と呼ばれるようになりました 。八丁味噌は、あいち特有の豆味噌の一種。あいちの食文化を支える濃厚な味噌はどのように誕生し、広まっていったのでしょうか。その原点を知るため「カクキュー」を訪ねました。

■味噌のテーマパーク「八丁味噌の郷」を見学

「カクキュー」が運営する「八丁味噌の郷」は、味噌蔵をはじめ、史料館、売店、食事処が集結する、まるで味噌のテーマパーク! ガイドが案内する見学ツアーは1時間(土日祝は30分)おきに開催され、現地の売店で申込みできます。
ツアーの始まりは史料館から。愛知県初の国登録有形文化財となった蔵の中に、味噌の製造工程や、同社で最も古い六尺桶など、貴重な史料が展示されています。大きな味噌玉の解説や、戦国時代に桶狭間の戦いに敗れて味噌造りを始めたという意外なエピソードも!
また、地図を見てみると、この地は矢作川と東海道が交わる、江戸時代の交通の要所でした。原料の調達が容易なことに加え、人が多く行きかい、岡崎城下の名産品として広まった背景が見て取れます。

  • 本社屋も国登録有形文化財で、外観のみ見学可
  • 昔ながらの味噌づくりの様子を再現
  • 天保10年に作られた、カクキューで最も古い六尺桶

■六尺桶に石がそびえ立つ光景は、一見の価値あり!

ツアー最大の見どころが、熟成蔵。六尺桶と呼ばれる巨大な木桶に、円錐状に石が積まれた、圧巻の光景が広がります。実はこのような石積みは、八丁町の味噌蔵特有のものとか。川に囲まれた高温多湿なこの地で保存性を高めるため、水分を極限まで少なくして大量の川石を積んだのです。「カクキュー」の八丁味噌の原料は、大豆と塩のみ。木桶の中で2年以上、天然醸造で熟成させ、ようやく完成します。
なお、出来上がった味噌は水分が少なくかたいがゆえに、パッケージ詰めは現在も手作業。見学コースの道中では、そんな作業の様子も垣間見ることができます。

  • 石積みは熟練職人にしかできない伝統の技
  • 温度調整は一切行わず、2年以上寝かせる

■なごやめしに欠かせない濃厚な味噌を、旅のお土産に

見学コースでは、お楽しみの試食タイムもあり、みそ汁や田楽の試食が振舞われます。最後はショップで、思い思いに買い物を楽しみましょう。一番人気の「八丁味噌」をはじめ、味噌カツのタレ、甘じょっぱい味噌かりんとうなど、オリジナルの味噌アイテムが並びます。また、テイクアウトの味噌ソフトクリームは、「八丁味噌の郷」の名物メニュー。塩キャラメルのようなコクが、クセになるおいしさです。
今回紹介した見学コース以外にも、敷地内には、あいちの醸造文化をパネル展示した「玄佺館(げんせんかん)」や、軽食が楽しめる食事処もあり、奥深い味噌の世界を楽しむことができます。

  • 木桶を模したパッケージはお土産にぴったり

カクキュー八丁味噌 詳細ページ

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