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みりんMirin

伝統の三河みりんは、和のリキュール

「和食の陰の主役」とも言われるみりん。みりんの本場とされるのが三河地方で、「三河みりん」は全国に誇るみりんブランドとなっています。
三河みりんの発祥となった醸造元が碧南市にあり、今もなお、伝統的な製法で造り続けています。碧南市周辺は醸造に適した気候と海運に恵まれ、かつて酒どころとして栄えていました。大量に余った酒粕に目を付け、酒粕を蒸留して造る粕取り焼酎でみりんを仕込み、江戸に運んだのが始まりとされます。江戸時代、貴重だった砂糖の代わりに、甘いみりんが大変重宝されました。蕎麦つゆなどの料理に使われたほか、甘いお酒としてそのまま飲まれることも多かったようです。今でも、正月のお屠蘇にはみりんが使われていますね。
伝統製法によるみりんは、蒸したもち米に、米麹と焼酎を混ぜて仕込みます。こうしたみりんは、醸造アルコールや水あめなど糖類を使った他のみりん、みりん風調味料と区別するため「本格本みりん」「純米本みりん」などと呼ばれます。
三河みりんは「和のリキュール」として、海外の一流シェフやパティシエからも注目を集めるようになりました。もち米から生まれる、上品でまろやかな甘みと深いコクに加え、食材に照りツヤを与える、臭みを軽減する、煮崩れを防止するなど、料理をおいしくするさまざまな作用があります。

見て“みりん”、食べて“みりん”♪ 三河みりんの聖地「九重味淋」で、江戸時代にプチトリップ

あいちのみりんの歴史を紐解くスポットとして向かったのは、三河地方の碧南市にある「九重味淋」。江戸時代から続く三河みりん発祥の醸造元で、いわば、三河みりんの聖地です。みりん蔵のガイドツアーや、みりんグルメのレストラン&カフェ、ショップまで、内容も盛りだくさん。見て、食べて、三河みりんのさまざまな魅力を体験できます。

■貴重な展示品も多数! みりん蔵ガイドツアー

創業から250余年、「九重味淋」で受け継がれてきた伝統的なみりん造り。ガイドツアー(要予約)では、作業場のある蔵へ入り、みりんを搾る「漕場(ふなば)」が見学できます(※)。
続いて、ツアーは建物2階の「時代館」へ移動し、みりん造りをより深く学べる映像を視聴。展示室には、貴重な古文書、古道具などが展示されており、三河みりんの歴史や、みりんの種類・特徴などを専門スタッフが解説してくれます。
※作業は行っていない場合があります

  • みりんの仕込み蔵。入口には常滑焼の一斗甕が並ぶ
  • 「漕場」では、もろみを酒袋に詰めて圧をかけ、みりんを搾る
  • 「時代館」には、江戸時代の帳簿など貴重な展示がたくさん ※撮影時のみ、見学用のヘアキャップを外しています

■「レストラン&カフェK庵」でみりんグルメに舌鼓

ガイドツアーと併せて楽しみたいのが、敷地内に建つ「レストラン&カフェK庵」。歴代当主の邸宅を改装した趣ある店内で、みりんを使ったランチやスイーツを味わうことができます。素材を引き立てる料理の名わき役から、プリンに添えるシロップまで、多彩なみりんの使い道にきっと驚くはず! 平日でも満席になることが多い人気店のため、事前予約がおすすめです。

  • 美しい庭園を眺めながら、みりん料理を味わって
  • ホロリとやわらかな角煮を主役に、旬の前菜が彩る「みりん角煮御膳」
  • 煮切りみりんシロップ添えの「みかわぷりん」のぷりんです。

■ショップでお買い物&「大蔵」周辺を散策

お買い物は、併設の直売店「石川八郎治商店」へ。看板商品の「本みりん 九重櫻」をはじめ、魚や肉の漬け粕として人気の「やわらかみりん粕ペースト」、優しい甘みが広がる芋チップスなど、さまざまなアイテムが並びます。みりん選びに迷ったら、味比べができる試飲コーナーへ。直売店限定の「みりんソフト」など、テイクアウトグルメも好評です。
最後は、敷地の周囲をぐるりと散策。風情ある通りを進むと、「大蔵」があり、外観のみ自由に見学できます。築300年を超える国の登録有形文化財で、みりんを貯蔵する蔵として現在も活躍しています。
ちなみに、蔵を支える石垣が途中まで黒く変色しているのは、みりん造りが盛んだった江戸時代、この高さまで海水が来ていた証だとか。仕込んだみりんを蔵から取り出し、目の前に停留した船に積み込む。そんな往時の様子が目に浮かぶようです。

  • 国産のもち米、米こうじ、焼酎を原料とする伝統製法の「本みりん 九重櫻」
  • 熟成期間が長くなるほど、色合いと味わいが深まる
  • 国の登録有形文化財 土蔵造2階建の「大蔵」

九重味淋株式会社 詳細ページ

Restaurant&Cafe K庵 詳細ページ

石川八郎治商店 詳細ページ

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