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漬物Pickles

漬物王国あいち、「守口漬」が特産品

ぬか漬け、たくあん、しば漬け、粕漬け……昔ながらの漬物は、立派な発酵食品のひとつ。あいちは漬物王国と呼ばれるほど、古くから漬物業が盛んです。豊富な野菜がとれることから、江戸時代末期から漬物業が発展し、一時は日本一の出荷額を誇ったことも。現在も、全国上位の漬物産地となっています。
あいちの漬物を代表するのが、尾張地方の「守口漬」。ギネス世界記録にも認定された世界一長い大根「守口大根」を、くるくると巻いて漬け込む、見た目もユニークな逸品です。明治時代、あいちの実業家が酒粕で仕込む従来の製法を改良し、酒粕とみりん粕で仕上げた「守口大根味醂粕漬」を開発。これが、現在の守口漬になったと伝わります。原料となる大根は、守口漬の産地である木曽川河畔で栽培されており、中には長さ1.5メートル以上になるものも。カリッとした歯切れの良さが持ち味で、あいちの伝統野菜にもなっています。収穫されたものはすぐに塩漬けし、その後、一度漬け、二度漬け……と長期間粕に漬け込むことで、奥深く芳醇な味わいが生まれます。
このほか、西三河地方の「山牛蒡(やまごぼう)八丁味噌漬」や、東三河地方の「渥美たくあん」も、あいちの伝統的な漬物です。

熟成した琥珀色と、ぐるぐる巻きの見た目もユニーク! 守口大根の産地で漬物職人の技を学ぼう

あいち伝統の「守口漬」は、世界一長い大根を何重にも巻き、酒粕とみりん粕で漬け込むユニークな漬物。守口大根の産地である木曽川畔の扶桑町で、唯一の工房を構えるのが「扶桑守口食品」です。工房見学や、守口漬の漬け込み体験、シーズン限定の守口大根収穫体験に加え、工房には直売店も併設。体験して、味わって、伝統の技に気軽に触れることができます。

■秘伝の粕床で漬け込む、伝統の技を体験

工房を訪れたらぜひ体験したいのが、守口漬の「漬け込み仕上げ体験」(要予約)。守口漬では、途中何度も漬けかえながら2年かけて完成させますが、そのうちの仕上げ工程を体験できるというもの。味の決め手となる重要な作業で、酒粕とみりん粕を熟成させた、秘伝の粕床が入った樽に細長い大根を巻いて漬け込んでいきます。ちなみに、守口漬は奈良漬けの一種ですが、あいちではみりん粕を加えるのが特徴だとか。
体験した参加者からは「職人さんは簡単そうにやっていたのに、やってみると難しい」「工程が多くてびっくりした」などの声が。漬けたものは、自宅で2~4か月寝かせてようやく食べ頃を迎えます。自分で作った漬物は、おいしさも格別のはず!
このほかにも、好みの漬物を刻んで酒粕と混ぜる「自分だけのまぜまぜきざみ奈良漬体験」(要予約)や、無料の工房見学、冬の収穫時期には「守口大根ほりほり体験」(要予約)なども開催されています。

  • 塩漬けから仕上げまで、計5回漬け込む
  • 木曽川河畔で契約栽培される守口大根。最長記録は191.7cm!
  • 体験&工房見学は、工場が稼働する平日のみ開催

■試食やお土産選びも楽しい、工房併設の直売店へ

工房には、直売店「漬処 壽俵屋 扶桑總本家」が併設されています。店頭には、守口漬をはじめ、うり、しょうがなどの奈良漬け、守口大根菜醤油漬けなど、さまざまな漬け物が並びます。試食も用意されており、気になった味を確かめられるのがうれしいですね。
また、毎日数量限定の「蔵出し」や、一本長いまま袋詰めした守口漬、自家製の粕床、守口漬入りパウンドケーキなど、ほかにはない商品はお土産にぴったりです。
守口漬を使ったグルメなら、犬山城下町にある姉妹店「壽俵屋 犬山井上邸」「壽俵屋 犬山庵」へ足を延ばすのもおすすめ。人気のもりぐちソフトや、こだわりの粕床で漬けた魚料理などを味わうことができます。

  • 工房併設の直売店。体験や見学受付もこちらから
  • 香り高く、透明感のある琥珀色が特徴
  • 木樽入りの守口漬は、贈答や土産に人気
  • 直売所に展示された、守口大根のレプリカ

漬処 壽俵屋 扶桑總本家 詳細ページ

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